休日・休暇について~労働基準法の解説
休日・休暇について。休日と休暇の違いは?
休日と休暇、その違いは?
休日と休暇は、どちらも仕事がお休みということでは同じですが、 この2つには法的に大きな違いがあります。
休日
「労働義務のない日」をいいます。この日に仕事をすれば、休日出勤となり、割増賃金が支払われます。 労働基準法では、毎週少なくても1回(週休制)、もしくは4週間に4日以上(変形週休制)の休日を与えなくてはならないとされています。
休暇
「労働義務のある日」を、労働者自らが休暇を申し込むことにより、労働義務が免除される日です。 法で定められている
さらに、労使間で自由に決めることのできる
- 病気休暇
- 忌引休暇・慶弔休暇
- 会社有給休暇
があります。
有給休暇とは
仕事を休んでも給料が出る休暇のことを年次有給休暇といいます。(事前申請が必要です。突然の病欠などを有給扱いしてくれる会社もありますが、それを強要はできません)
有給休暇は、「年休」とも呼ばれています。有給休暇は「この日に取りたい」と申告するだけでとることができます。その理由や許可・承認は、本来必要ありません。 ただし、有給休暇を使って自分の職場の労使争議の参加はできないことになっています。
労働基準法では、6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して10日間の年次有給休暇を与えなければならないとしています。(以降、勤続年数の増加に伴い下記表のように増えます。)
>> 労働基準法有給休暇条文(第39条)
6箇月経過日から起算した、継続勤務年数 | 有給日数 |
---|---|
1年 |
11日 |
2年 |
12日 |
3年 |
14日 |
4年 |
16日 |
5年 |
18日 |
6年以上 |
20日 |
パートやアルバイトなどの所定労働時間が少ない労働者についても、その所定労働時間や労働日数に比例して、その比率により一定日数の有給休暇をもらうことができます。
時間単位での有給休暇取得
平成22年4月より、有給休暇を時間単位で取得できるようになりました。
ただし、以下の条件が必要です。
- 従業員が時間単位での取得を希望している
- 労使協定を締結し、以下のことを決めておくこと
- この制度が適用される社員の範囲
- 1時間単位で取れる有給休暇の日数
- 1時間単位の有給休暇の換算単位
有給休暇の時季変更権
有給休暇はいつでも労働者の取りたい日にとることができますが、その日に年休を行使すると、会社側としては困るときもあります。そのような場合、使用者は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、時季変更を命ずる事ができます。これを使用者の時季変更権といいます。
年休は就業規則に規定がなくても、労基法により労働者の権利として守られています。
※有給休暇を使用者が取らせない場合や、労働者が年休を請求しても使用者が時季変更権を行使せず、欠勤扱いとして賃金をカットした場合は賃金不払いとなります。
有給休暇の買い上げ
年休の全部または一部を取得しないで残った場合、労働者がその年休をとる代わりに、使用者が賃金として支払うことを買上げといいます。
ただし、法定付与日数の買上げは違法です。年休は、労働者が健康で文化的な生活を送ることで心身の疲労を回復させることを目的としているので、休暇を与えず代わりに金銭を与えることはできません。
年休の買い上げが認められるのは、
- 法定日数を上回る有給休暇を会社が付与しているとき、その上回る部分
- 2年間の消滅時効や、退職によって請求権が消滅する場合
のどちらかの要件を満たしているときです。
生理休暇
労働基準法でも「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女子が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定していますので、生理で具合が悪いときは、無理をせず正々堂々と休暇を要求しましょう。
ただし、労働基準法は、生理休暇は有給であるとまではいっていませんから、就業規則や労働協約などに有給の定めがない限り、生理休暇日を無給にされても、つまり給料から差し引かれても文句は言えないことになります。
会社ごとに決められる休暇
会社ごとに就業規則や労使協定などで定められる休暇には、病気休暇・忌引休暇(慶弔休暇)・上乗せの有給休暇などがあります。これらの休暇の取り方や日数、給料の有無は会社ごとの取り決めによって定まっています。
病気休暇
病気休暇については、会社の就業規則などでどのような扱いにするのか定められています。有給・無給についてもどのような定めがあるのか事前に確認しておきましょう。
有給休暇として取りたい場合は、その旨を会社に伝えて有給にしてもらうことができます。また、4日以上に及ぶ場合は、傷病手当の支給もあると思われますので、支給されない3日分のみ年次有給休暇を利用する方法もあります。
傷病手当の支給条件は以下のとおりです。
- 業務外の事由による病気やケガの療養中であること
- 病気やケガの療養のために今まで行っていた仕事に就けないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(土日祝日を含む3日でOK)
- 休業した期間に給与の支払いがないこと(給与を受ける場合、傷病手当金の額よりも少ないときは差額が支給されます)
- 最長1年6ヶ月
忌引休暇・慶弔休暇
忌引きのためだけでなく、お祝い事の日も休める慶弔休暇としている会社もあります。その内容は、就業規則などで確認しましょう。
一般的には、お祝い事のお休みは1日、親族に不幸があった場合は、その対象が自分の配偶者や親なら10日、兄弟や祖父祖母なら3日、子供なら5日、叔父叔母などは1日程度にする会社が多いようです。また、有給である場合が多いです。