平成25年労働基準法施行規則の改正
労働基準法第15条関連の労働基準施行規則5条が改正され、期間定めのある労働者の更新に関して、基準を定めることとなりました。
改正点1 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
非正規社員の増加によって、有期労働契約で働く人が多くなりました。有期労働契約は、その期間満了時に、継続して雇用されるのか、契約そのものが終了してしまうのか、労働者はその直前まで判断できませんでした。
そこで、有期労働契約(期間定めのある労働契約)を締結する場合には、労働契約締結時に、書面で、期間満了に労働契約が「更新」される場合の基準を、書面で明示・交付しなければならないことになりました。
これによって、有期労働契約で働く人は、自分がこの先継続して雇用されるのか、契約終了になるのかの予測がつきやすく、労使間での紛争防止にも役立つことになります。
また、この更新基準の書面明示と交付の義務が、労働基準法第15条に内包されたことによって、これを怠った場合は、会社側に罰則規定が適用されうことになるため、遵守されやすくなりました。
更新基準明示の例
有期労働契約の更新基準の明示のしかたは、労働者が「契約期間満了後の自らの雇用継続の可能性について一定程度予見することが可能となるものであることを要するものであること」と、されています。
例えば、更新の可能性がある契約なのかどうかを明示するためには、
- 自動的に更新する
- 更新する場合があり得る
- 契約の更新はしない
の、いずれかであることを明示した上で、更新がある場合には、 契約更新の判断基準として、
- 契約期間満了時の業務量により判断する
- 労働者の勤務成績、態度により判断する
- 労働者の能力により判断する
- 会社の経営状況により判断する
- 従事している業務の進捗状況により判断する
などを明示します。
また、この更新の基準についても、変更する場合は、労働者との合意などにより、適法に変更される必要があります。(他の労働条件を変更する場合と同じです)
労働基準法第15条 労働条件の明示
労働基準法第15条(労働条件の明示)
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
この「賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示」 とされている労働基準法施行規則第5条が改正されました。
また、これに伴い、規則第1条の「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」は、削除されました。