労働契約継承法(2001年4月1日施行)
(会社の分割に伴う労働契約の継承等に関する法律)
目的や通知
(目的)
- 第1条
- この法律は会社の分割によって転籍する労働者の保護を目的に制定されました。
(労働者および労働組合への通知)
- 第2条
- 会社は、分割に当たって、分割計画書または分割契約書を承認する株主総会等の開催される日の2週間前までに、労働者及び労働組合に対して、以下の事項を通知する必要があります。
(会社分割には、分割会社が新しく新設会社(設立会社)を作る新設分割の場合と、他の会社(承継会社)に吸収させる吸収分割の2つがあります。新設分割では、分割計画書を、吸収分割では分割契約書を作成します。)
- 設立会社等に承継されるという分割計画書等の記載の有無
- 異議を申し出ることのできる期限日とその方法
- 対象者に該当するかどうか
- 分割の時期
- 承継される会社の概要、名称、所在地、事業内容、予定雇用者数、就業場所、業務内容
- 承継される会社に債務の履行見込みがあることとその理由
- 承継する労働協約の内容
労働契約の承継
(業務に「主」として従事する労働者の労働契約の承継)
- 第3条
- 承継される業務に「主」として従事する労働者について、分割計画書等に労働契約が承継されると記載される者は、本人の同意を得ることなく設立会社等に転籍することになります(承継されることになります)。
- 第4条
- 承継される業務に「主」として従事する労働者のうち、分割計画書等に記載されない者(分割会社に残留することになります)は、株主総会の2週間前からその前日までの間に、異議を申し出ることができます。 異議を申し出れば、本人の意向に従い、設立会社に転籍することができます。
(業務に「従」として従事する労働者の労働契約の承継)
- 第5条
- 承継される業務に「従」として従事する労働者のうち、分割計画書等に労働契約が承継されると記載される者は、株主総会の2週間前からその前日までの間に、異議を申し出ることができます。 異議を申し出れば、本人の意向に従い、分割会社に残留することができます。
労働協約の承継
(労働協約の承継)
- 第6条
- 分割会社と労働組合との間で締結されている労働協約を、設立会社に承継することができます。 設立会社と労働組合との間で、分割前と同じ内容の労働協約が締結されたものとみなされます。
労働者の理解と協力、指針
(労働者の理解と協力)
- 第7条
- 分割会社は、会社の分割を行うに当たって、労働者の理解と協力を得るように努めなければなりません。
(指針)
- 第8条
- 労働大臣は、労働契約等の承継に関して、適切な実施を図るために必要な指針を定めることができます。