業務中・通勤中・出張中のケガや死亡の労災保険～地震・津波
- 業務中のケガ・死亡として労災保険が認められる場合
- 通勤中のケガ・死亡として労災保険が認められる場合
- 出張・出向中のケガ・死亡として労災保険が認められる場合
- 仕事に行ったきり、行方不明の場合
- 診療費と労災申請・請求手続きに関すること
業務中のケガ・死亡として労災保険が認められる場合
通常勤務中（業務中）はもちろんのこと、以下のような場合でも、業務中のケガ・死亡として、労災保険が認められます。
- 船員として、船舶に乗り込んでいる場合に津波に襲われ、ケガ・死亡した
- 会社から避難指示を受け、避難場所に移動している最中や、その避難場所で津波などの影響でケガ・死亡をした
- 事業所の管理する施設内（会社の建物内など）で休憩時間中に地震や津波がきて、ケガ・死亡した
- 外回りの営業中に、地震や津波でケガ・死亡した。（明らかに私的行為中でない限り認められます）
他にも認められる状況は多々あると思いますので、諦めず、労災保険給付を申請しましょう。
通勤中のケガ・死亡として労災保険が認められる場合
通常通勤中（帰宅途中）はもちろんのこと、以下のような場合でも、業務中のケガ・死亡として、労災保険が認められます。
- 避難所生活の場所から会社までの通勤途中で、ケガ・死亡した
- 会社から帰宅途中と思われる時間帯に津波で死亡をした
- 通勤中（帰宅途中）に津波警報が出て、そこから避難所へ向かう途中で、ケガ・死亡した
- 計画停電等の影響によって、いつもと違う時間帯に出勤し、その途中でケガ・死亡した。
- いつもは電車・バス通勤だが、やむを得ず車やバイク、徒歩などで通勤し、その途中でケガ・死亡した
- 電車が止まり、帰宅できずに、近くのホテル・友人宅に宿泊。そのホテル・友人宅から会社に向かう途中でケガ・死亡した
- 被災家族の看病のため、病院に泊まり、その病院から通勤する途中でケガ・死亡した
他にも認められる状況は多々あると思いますので、諦めず、労災保険給付を申請しましょう。
出張・出向中のケガ。・死亡として労災保険が認められる場合
出張中は開始から終了まで、業務遂行姓（業務命令に服している状態）があるとされているので、出張中のケガ・死亡は、明らかな私的行為中を除いて、労災保険が認められます。
出向の場合は、出向先までの赴任途中の災害は、原則、出向先の労災保険が適用されます。出向先での勤務が始まった場合は、通常勤務となり業務災害・通勤災害の適用があり、労災保険が認められます。
仕事に行ったきり、行方不明となっている場合の労災保険
震災によって行方不明となった人については、
- 警察の調査によって、死亡が確認されたとき
- 民法の規定によって、行方不明となった時から、１年後に死亡とみなされたとき
以上の場合に、労災保険の遺族補償給付の請求ができます。
２．については、今回の震災に限って1年よりも短い期間で労災認定ができるように検討中のようです。
診療費と労災申請・請求手続きに関すること
事業所が被災してなくなった場合の医療受診
今回の震災では、労災請求される場合に、
- 任意の様式で請求できる
- 事業主や診療した医師の証明がなくても受けれる
などの運用をしているようです。病院で受診するときに、労災で受診したい旨を伝えてください。
すでに自己負担で受診してしまっている場合
保険証が見当たらず、すでに全額自己負担で受診してしまっている場合は、自己負担分が労災保険から支払われますから、金額が確認できる領収書などを添付して、請求しましょう。
また、提出方法は、
- 最寄の労働基準監督署への提出でもよい
- 出張相談を利用しての提出でもよい
などとしているようです。
片道２ｋｍ以上の通院は交通費の支給がされる
通院費（交通費）が支給されるのは、
- 片道２ｋｍ以上の通院
- 住居と同一の市町村の適切な医療機関
- 同一市町村に適切な医療機関がない場合は、近隣市町村の適切な医療機関
- ２，３に適切な医療機関がない場合は最寄の適切な医療機関
です。