松蔭学園事件(控訴審)~パワハラ被害者勝訴判例
パワハラ概要
>>第一審の概要を参照松蔭学園が控訴し、被害者が付帯控訴をした。
裁判の結果。慰謝料額
控訴棄却
付帯控訴一部変更(慰謝料600万円
>> 松蔭学園事件(第一審)
判旨(違法性、賃金請求、慰謝料請求)
松蔭学園の行為は、業務命令権の濫用として違法、無効であることは明らかであって、その責任は極めて重大である。
被害者に対する措置は、見せしめ的と言えるほどに次々にエスカレートし、13年間の長期に渡って被害者の職務を一切奪ったうえ、その間に職場復帰のための機会等も与えず放置し、そのままの状態で退職を待つという態度に終始しているのであって、見方によっては懲戒解雇以上に過酷な処遇と言わざるを得ない。
被害者は長年何らの仕事も与えられず、職員室内で一日中机の前に座っていることを強要されたり、他の教職員からも隔絶されてきたばかりでなく、自宅研修の名目で職場からも完全に排除され、かつ、賃金も昭和54年度のまま据え置かれ、一時金は支給されず、物心両面にわたって重大な不利益を受けてきたものであり、被害者の被った精神的苦痛は誠に甚大であると認められる。
これらの各違法行為は、松蔭学園の校長、副校長によって行われたのであるから、松蔭学園は、民法709条、715条、710条に基づき、被害者が被った損害を賠償すべき義務があり、その賠償額は松蔭学園の責任の重大さにかんがみると金600万円が相当である。